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生菌中の呼吸酵素活性を計測

2025/04/15 会員限定記事

医工連携の実践者137 徳納吉秀 筑波大学助教

連載 :

 薬剤耐性(AMR)菌は、何も対策を取らなければ2050年に人類の死因トップになると予測されている。取りうる対策は、細胞壁・膜阻害やタンパク質合成阻害など既存作用機序の抗菌薬を正しく大切に使う延命もさることながら、何と言っても新規機序の抗菌療法開発だ。本欄でもいくつかの候補機序を紹介してきている。  そんな候補のうち、生命活動に必須であるため耐性も出づらいのでないかと期待されているのが、呼吸に関連する酸化還元酵素の機能阻害だ。同じ働きの酵素でも、働きに関係ないサブユニットの構造はヒトと菌とで異なることが多くターゲットとしやすい。  ただし、ターゲットの合成を阻害できているかどうかを確かめるのは比較的容易なのに対して、機能を阻害できたかは生きた菌の中で活性を計測する必要があり、とくに呼吸酵素のように単体で働かず複雑に相互作用...  薬剤耐性(AMR)菌は、何も対策を取らなければ2050年に人類の死因トップになると予測されている。取りうる対策は、細胞壁・膜阻害やタンパク質合成阻害など既存作用機序の抗菌薬を正しく大切に使う延命もさることながら、何と言っても新規機序の抗菌療法開発だ。本欄でもいくつかの候補機序を紹介してきている。  そんな候補のうち、生命活動に必須であるため耐性も出づらいのでないかと期待されているのが、呼吸に関連する酸化還元酵素の機能阻害だ。同じ働きの酵素でも、働きに関係ないサブユニットの構造はヒトと菌とで異なることが多くターゲットとしやすい。  ただし、ターゲットの合成を阻害できているかどうかを確かめるのは比較的容易なのに対して、機能を阻害できたかは生きた菌の中で活性を計測する必要があり、とくに呼吸酵素のように単体で働かず複雑に相互作用す

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