初めて見たのは大阪でした。中之島でのイベントに友人が誘ってくれ、そのときはプロジェクション・マッピングというものをまったく知らなかったので、いったい何が始まるのかと言われるままに長い列に並んで、やがて野外の席について待機し、始まった映像ショーには驚かされました。
その後、今では語り草となっている2012年の東京駅のプロジェクション・マッピングに立ち会うことができました。それは改修工事が終了し、駅開業100年記念のイベントでしたが、たまたま丸の内の地下街に貼られていたポスターで知り、そこからホームページをチェックして、こういうのに付き合ってくれそうな友人2人(彼女たちは初対面)を誘って2日目に行ったのですが、慣れないスタッフの誘導でちょっと混乱はあっても、それほど混んではいませんでした。小雨が少し降る天気だったのも幸いしたのかもしれません。何とか中央あたりを陣取ってスタートを待ちました。東京駅舎全面を使って、首を左右に動かさなければならないような大きさで、迫力の映像ショーでした。YouTubeにアップされているので今も見ることができます。現場で予行練習もそうできないので、何台ものプロジェクターを使って角度をピッタリ合わせるのは大変だったようです。
当時は今ほどSNSで拡散!ということもなかったのか、またあまりマスコミで事前に告知されていなかったからか、大きなトラブルなく観賞できました。後にこのイベントの評判が口コミで広がり、3ヵ月後の12月下旬、クリスマスを挟む8日間に新作が上映されることが発表され、今度は全面ではなく中心部だけでした。ところが蓋を開けたらとんでもない人数が押し寄せてしまいました。おそらく主催者側は期間を長くしたので、分散されて混雑はそれほどではないと考えていたのかもしれません。結局3日目の第1回の上映後はすべて中止になりました。私は初日に丸ビルの中から音の聴こえない状態で、少し観ることができました。とても繊細できれいな映像でしたが、あの全面の壮大さには及びませんでした。
一気に知れ渡ったプロジェクション・マッピングは今ではあちこちで開催され、カレッタ汐留でも凝ったイルミネーションとともに楽しめ、スカイツリーの上の広場や国立博物館の東洋館でも上映されたのを観ました。一番面白いのは、元の建物が動いたり、壊れたりしたように見える映像です。またどこかで見られたらいいなと思います。