学生時代のテリトリーだった御茶の水界隈も、近頃はコロナの影響だけでなく出版不況で、ずいぶん街の様子が変わってしまいました。でも時代の流れですし、新しくなっているところもそれはそれでいいなとも思います。それをぶらぶら見ながら散歩するのも楽しいし、割と坂道なので運動にもなります。
JR御茶ノ水駅は大きく改築中。古い階段はすべてなくなり、あのレトロ感が味わえないのはちょっと残念ですが、エスカレーターやエレベーターが設置されて便利になりました。少し移動した聖橋口の改札口(近くに話題になった消毒液あります)を出て、丸善の横道を行くと左手にニコライ堂が見え、さらに下ると目の前にどっしりした紙垂を巻いた椋の木が現れ、その前に太田姫神社があります(ここの紫陽花はちょっと見応えあり)。この辺りは木が多いので新緑の季節は特に気持ちがいいです。そこを右折して靖国通りに出て少し下ると三省堂本店、すずらん通りを挟んで建っている画材屋・文房堂は東京大空襲でも残った古い建物です。
すずらん通りを歩き続けて、白山通りにぶつかって左に折れると「半沢直樹」などドラマの撮影に使われている学士会館(1928)に行き着きます。レストランがあるので1階は見物できます。再び靖国通りに戻り、坂を上って内堀通りにぶつかると昭和館とその奥に帝冠様式の和洋折衷の九段会館(1934)が見えますが今は改築中です。10年前の地震で天井崩落事故が起き、老朽化のしていたので元の形をある程度残して建て替えられ、東銀座の歌舞伎座のような感じになるらしいです。映画の試写会でよく来たことがあって、座り心地はイマイチでしたがレトロな空間は昭和が充満している感じでとても好きだったあのホールがなくなるのは寂しいです。再現されるといいのですけど。この一帯はいろいろ古い建物を見られるのもいいです。おまけ情報として近くの千代田区観光センターには都内だけではなく全国の観光パンフレットがたくさんあるので、また旅行が自由にできるときに活用できます。
さて、さらに靖国通りを行くと日本武道館がある北の丸公園入口になります。いつの間にか歩道が整備され、ベンチもあって散歩の途中休憩にちょうどいい感じになっていました。お堀の少し先にあるイタリア文化会館では今はほとんど中止ですが、写真展や演奏会などいろいろなイベントが催されるのです要チェックです。
お堀の桜は邪魔物扱いされないので思いきり枝を伸ばし、春は見事な景色を見せてくれます。来年は花見が遠慮せずできるといいですね。