2021年11月にオープンしたという新しいギャラリーの紹介をTVで知り早速行ってみました。場所は国立近代美術館へ行くときに降りる竹橋駅。いつもと反対側の改札口から3a出口を出てすぐの丸紅です。ここに移転して開館したギャラリーで、コレクションはアートビジネスとして入手した絵画がもとになっているそうです。そこで『丸紅ギャラリー開館記念展Ⅰ 日仏近代絵画の響き合い』(1/31まで)と題して収蔵作品を公開中です。



 そびえ立つ堂々としたビルを前に本当にギャラリーがあるのだろうかとちょっと怯んでしまいましたが、広い階段の先の入口にポスターらしきものが遠目に見えたので、恐る恐る進んでみると果たして案内がありました。大きな自動扉が開いて中に入って、右奥にある3階まで直通のエスカレーターに乗った先にギャラリーがありました。受付で入館料を支払うのですが、なんとワンコイン500円です。とはいえ今どきらしく現金NGで、全額寄付になるそうです。


 さて、この料金で40数点鑑賞できます。1〜2点づつですが有名作家の作品で、これまで観たことのないものばかりでしたのでなかなかよかったです。


 最初にあるコローは本人のプライベートな空間に飾られていたものだそうで大きな作品でした。小磯良平やルドンにルノワールの風景画など、こんなのもあったのかと思いました。大原美術館のコレクションの収集に携わった児島虎次郎、熊谷守一の作品も初めて観ました。訪れた人の多くが一番印象に残ったというキスリングの『ミモザの花束』にはちょっとびっくりしました。こういう作品は実物をいろんな角度で観てこそわかるおもしろさがあります。とくに知らなくても気軽に印象派あたりの東西の作品を鑑賞できるのがよかったです。


 休館日が日曜と祝日で10時から17時までなので、なかなか行きづらいかもしれませんが、確かに穴場です。


 次回開館記念展Ⅱは絵画ではなく、きもののコレクション。そこは創業から繊維に携わってきた商社として、収集してきたものだそうで、着物を着ることはまずありませんが、アートとして観るのは面白そうです。そして秋頃予定の開館記念展Ⅲでは、日本に唯一あるボッティチェリの作品が出品されるそうなので要チェックです。