春の訪れまでに三寒四温を乗り超えなくてならないと毎年思うのですが、今年はちょっと度が過ぎてないでしょうか。いきなりコートの要らない陽気になって、まぁちょっと寒の戻りはあるだろうけどこのまま暖かい日が続いていくのかと油断していたら、雪まで降るなんて落差あり過ぎです。でも、寒い冬のあとはここのところ開花の早まっている桜も美しく咲くというので楽しみでした。咲いた桜が引っ込み効かないような寒さに見舞われるとパッと散ってしまわず、多少長く楽しめるのがいいです。
今年は去年ほどの厳格な規制がないように思えますが、それでもまだちょっと行きづらい気がするお花見。それでも桜を見るより下でお酒を飲んで騒ぐという風習が抑えられているのはいい傾向だと思いますが、立ち止まらずに一方通行というのはそろそろ緩和してほしいです。でもここひと月くらいで世界がガラッと変わってしまう出来事が起きているなか、のんびり桜を眺められる平和な国にいることにつくづくありがたみを感じます。
さて、まだしばらくお花見ができるとしても混んでいるところで団子も食べられずにただ歩くより、ゆっくり座ってコーヒーの一杯でも飲める穴場が上野恩賜公園のエリアにはあります。有料なのですが、東京国立博物館本館の裏側にある庭園です。本館と東洋館の間の入口からすぐに大きな桜が出迎えてくれます。進んでいくと予想以上に広く起伏のある空間が現れます。桜もソメイヨシノだけではなく、カンザンやエドヒガン、オオシマザクラなどがあり、まだこれから咲くのもあるので長く楽しめます。しかもキッチンカーのカフェが待機して椅子とテーブルもありました。平日もいるのかは確認していませんが、日曜なのに数えるほどしか花見客はいないのでのんびり花見ができました。生憎の雨で椅子には座れませんでしたが。花だけでなく、ここには応挙館や六窓庵などの建物にいろいろな石碑もあって散策しながら、ちょっと旅行気分を味わえます。
庭を後にしたら毎年開催されている本館の『博物館でお花見を』(4/10まで)で、散ることのない桜を鑑賞するというコースがおすすめです。常設展の中に桜に因んだ作品があるのを探しながら回るのですが、当然ほかの様々な作品も鑑賞できて、一時間ではすまないです。期間中に楽しめる〝さくらスタンプラリー〟も実施中。地下には面白い写真の取れるBOXもありました。本館内は思ったより多くの人がいて、結構若者も来ていました。
庭園以外にこの博物館のエリア内のあちこち桜がありますし、これから咲くいろんな花も楽しめます。ちなみに70歳以上なら無料です。
もう一ヵ所東京国立近代美術館でも「美術館の春まつり」開催中。こちらは緋毛氈の椅子が前庭にあります。観賞後は皇居内の芝生に座ってお花見というのもありです。
美術館とお花見はいい組み合わせだと思います。