日比谷公園は日比谷野外音楽堂のあるオフィス街にあるので、だいぶ規模が違いますがちょっとNYのセントラルパークという感じがしなくもない広い緑地です。


 コンサート目的で突っ切るくらいだったのですが、サラリーマンが「日比谷鉄棒クラブ」というサークルを作り、昼休みに鉄棒で身体を鍛えているという紹介をテレビで見て、そんな場所もあるのかと思ったことが印象に残っていたので、有楽町から一番奥の日比谷図書文化館に行くときにそれまでと違うルートを通ってみると、これがなかなかおもしろいところが多いというのを発見しました。


 有楽門から入って、改めて案内板を見ると実にいろいろな施設もあるのを再確認。幕末まで大名屋敷だったこの場所に仙台藩の外桜田上屋敷があり、そこで伊達政宗が永眠したとは知りませんでした。



 この日本初の西洋式公園を設計したのは、本多静六という森林学者だそうで、明治神宮の造営にも関わり、日本中の公園の多くを手がけた人でした。だからか植木の説明が割と多く、名前の札がクイズ形式になっていたりして楽しめます。


 園内には名残りの石垣だけでなく、明治期の近代西洋建築物や遺構があちこちにあります。テニスコート横には三笠山という少し高くなったところがあり、日本の新聞と関わりのある〝自由の鐘〟や冬になるとテレビでよく紹介されるツララのできる鶴の噴水もここにありました。また芝増上寺の石橋が移築されていたり、宮城県から寄贈された埴輪とかローマの狼の像など脈絡もなくいろんなものあちこちにありました。



 ここのシンボルである〝首掛けイチョウ〟は驚くような大きさで逸話も初めて知りました。訪れた時期はドクダミが満開で、つぼみだった百合がたくさんの種類が植えられていましたし、以前ツイッターで話題になったひたち海浜公園のよりはるかに規模が小さいですが青いネモフィラを見ることができました。またツツジの丘やいくつもの藤棚があって、ベンチや座れる芝生地もあるので季節ごとに楽しめそうです。日比谷で映画鑑賞のついでにのんびりできそうなときは寄ろうと思います。


 広場でのイベントも戻ってきたようで、6月には「HIBIYA MUSIC FESTIVAL 2022」という音楽イベントが無料開催されるそうです。