2020年オープンした隈研吾設計の角川武蔵野ミュージアム。紅白歌合戦でYOASOBIがここで歌ったのを中継していたのを観て、本好きのはちょっと憧れる空間だなと友人を誘いましたが遠いからと断られました。でもあの空間を体験して感想を話したかったので、今開催中の企画展『はじめてのBL展』(〜7/16)に付き合ってくれる友人を見つけ、電車を乗り継ぎ東所沢駅に降り立ちました。
手前の新座駅を過ぎると途端に風景が変わって〝武蔵野〟になりました。駅からちょっと歩くのですが、広々とした平坦な場所にあの奇妙な形の建物があると思っていたのですが、手前の大きな木々のある東所沢公園を通り抜けた先の高台ににドーンと建っていました。実際に見るとその異様なフォルムに現実感が湧かず、SF映画の世界に入り込んだのかと錯覚しそうでした。
まず、どこが入口かわからず企画展のポスターが貼られた近くの建物の方へ。こちらは〝ところざわサクラタウン〟という店舗が入った商業施設でした。ミュージアムの入口はぐるっと回ったところで、シンプルでかっこいい外見を保つためでしょうがわかりにくかったです。中はかなり広く、案内されるままチケット売場へ。ここの料金体系が複雑で、これもよくわからない。何とか企画展に入場できるチケットを購入しましたが、あの本棚劇場は別料金なのかも不明のまま4階の会場へ。
今回の展示はマニアック過ぎて当時ハマってない人にはまったく興味が持てないものかもしれませんが、私たちは年表だけで30分くらい楽しめました。さすがに2000年代あたりからさっぱりわからなくなりましたが、2020年代のところだけは個人的に食い付けました。懐かしさ時代と知らない時代の展示を堪能しました。全体的にゆるいパーケーションで仕切られていたので、ちょっと行きたい方向がわからなくなりそうでしたが、魔法世界の迷宮に足を踏み入れたようでおもしろかったです。何しろ本の並べ方も変わっていましたし、いろんなものがあちこちに並べられているので、キョロキョロしてしまいます。
企画展の奥にブックストリートや荒俣ワンダー秘宝館があり、今は特集展示『魚っとこ水族館-所沢はむかし海だった!?—』を楽しむことができます。
そして、さらに進むとついにあの〝本棚劇場〟です。吹き向けでぐるりと本棚に囲まれた空間は圧巻でした。事前に調べてなかったのでここで初めて20分置きにプロジェクションマッピングを楽しめるのを知りました。動画はNGですが写真は撮れます。本棚の裏に回り込むと階段があり、壁には〝荒俣ワンダー大書界〟が展開しています。上の階には武蔵野ギャラリーにカフェがありました。イベント内容がいろいろ変わるらしいですが、今は腰掛けられるハンモックがあってそこで本を読むことができます。
気がついたら、ずいぶん時間が立っていました。外に出てもう一つ気になっていた隣の超モダンな建物は武蔵野坐令和神社で、新し過ぎてあんまり御利益がありそうにない気がしてしまいお参りしませんでした。公園では『チームラボ どんぐりの森の呼応する生命』を楽しめるようですし、ミュージアムの他の部屋も面白そうなところがあったのをあとでパンフレットを見て気が付いたので、今月始まった『体感型古代エジプト展 ツタンカーメンの青春』(〜11/20)にまた誰か誘って、もっと時間の余裕をもって行こうと思います。