タイの人のInstagramで知った『ゴッホ・アライブ』(〜3/31、寺田倉庫G1ビル)をご存知ですか?モノレールの天王洲アイル駅から行く倉庫街のひとつです。デヴィッド・ボウイ展やグッチ展のときとはまた別の倉庫でした。海外のセレブを招いたブランドの新作発表イベントも寺田倉庫で開催されていたので、今この界隈の倉庫は展示スペースとしてよく使われているようです。
さて、「ゴッホの世界を五感で感じられる新感覚の没入型展覧会」という謳い文句で、これまでに世界を巡回して100都市目の開催地が東京だそうです。すでに神戸と名古屋で開催済み。この〝没入型〟というのは流行っているようで、角川ミュージアムのエジプト展も面白かったですが今回はゴッホの作品のみ。しかも実物はひとつも来ていませんが、今まで気づかなかったゴッホ作品の観方ができていました。
時間制ではないので当日でも並んで入ることができます。やはり休日は混んでいましたが、長い列はほぼ止まることなく進んだのでそれほど待たずにすみました。客層は若い人が多く、外国人も結構来ていました。
10人くらい入れるエレベーターで上がって、まずゴッホの作品と概略がわかる広い部屋へ。まったくゴッホを知らなくてもそこのパネルで代表的な作品と彼の人生がざっと解説されています。これまでいくつも彼の作品を観てきましたが、知らない作品の紹介がありましたし、「黄色い家の部屋」を描いた作品は3点もあったのを初めて知りました。
その「黄色い家の部屋」は実物大に再現されていて他の国では実際にそのベッドや椅子に座れたようですが、日本では触ってもいけないという注意書きがありました。ギリギリ側まで行ってみるくらいで、3次元にした空間を結局2次元の作品のように観るだけでは設置した意味がないのではと思います。
いよいよゴッホのあらましがわかったところで黒いカーテンの向こうへ。広い部屋の至る所に設置された大きな画面や床にそれぞれ映し出されるゴッホ作品。
どの画面も同時進行なので部屋の奥まで進んで座り込んだり、いくつかの画面を同時に観られるような位置で観賞することができます。最新の映像技術によって映し出される独特のタッチの絵画は実物の何倍ものサイズで部分的に拡大されたり、アニメーションのように動かすことで、これまでにない視点で観ることになります。
それによって彼の絵に対する執念のようなのまで感じられました。短い人生だったので作品数も少ないと思い込んでいましたが、自画像だけでも20点近くあり、それらが次々に大きく写し出されると彼の心情もより現れているように思いました。
他にちょっとチームラボのような趣向の鏡と光の部屋とひまわりがぎっしりの部屋があり、またVRで遊べるというのもありましたが、私たちのスマホではうまく機能しませんでした。でも反映されるのに少し時間がかかるようで、帰宅して見たらクルクル踊るゴッホを楽しむことができました。