私は「薬害」という言葉があまり好きではない。原稿を書くときも薬害という言葉を、自然に避けて書くようになっている。薬を愛する薬剤師のもつ生理現象かも知れない。こんなことを書くと「だから薬害はなくならないのだ」と薬害オンブスマンから一矢を報いられそうである。 医薬品には、主作用と副作用(Side Effect)があり、有益な働きと有害な働き(Adverse Reaction)があると、薬理学の教科書は教えている。主作用と副作用は薬の側から見た働きで、有益作用と有害作用は生体側から働きを評したものである。いずれも、副作用と有害作用という用語が、よりポピュラーになっているのはなぜだろうかと言葉の不可思議さに戸惑う。有害作用と薬害はどのように違うのだろうか。答えは難しくなる。 「薬害とは薬による害であるが、インフォームドコンセントが行われたものは薬害とは言わない」という見...
私は「薬害」という言葉があまり好きではない。原稿を書くときも薬害という言葉を、自然に避けて書くようになっている。薬を愛する薬剤師のもつ生理現象かも知れない。こんなことを書くと「だから薬害はなくならないのだ」と薬害オンブスマンから一矢を報いられそうである。 医薬品には、主作用と副作用(Side Effect)があり、有益な働きと有害な働き(Adverse Reaction)があると、薬理学の教科書は教えている。主作用と副作用は薬の側から見た働きで、有益作用と有害作用は生体側から働きを評したものである。いずれも、副作用と有害作用という用語が、よりポピュラーになっているのはなぜだろうかと言葉の不可思議さに戸惑う。有害作用と薬害はどのように違うのだろうか。答えは難しくなる。 「薬害とは薬による害であるが、インフォームドコンセントが行われたものは薬害とは言わない」という見方